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NIPT検査はどこでも同じではない?病院・施設の選び方

NIPT検査はどこでも同じではない?病院・施設の選び方

病院・施設の選び方についての記事です。検査する場所はどのように捜せばいいのでしょうか?
「同じNIPT検査なのだからどこだって同じ」とも思うかもしれませんが、病院や施設によって、サポートや特徴は違ってきます。

2013年から日本でも検査されるようになったNIPT(新型出生前検査)。2013年度の検査実数は約8千件に対して、2016年度の検査実施数は約1万3千件といったように、年々その検査実数は増えてきています。

実施する病院や施設数も同様に増え続け、今後も需要の増加に伴い増え続けていくことでしょう。

ですが、病院や施設が増え続けると、どこで検査を行えばいいか迷ってしまいます。

誰だって、将来が変わることもある重要な検査で後悔する検査はしたくはありません。

検査する場所はどのように捜せばいいのでしょうか?

なぜ病院・施設を選ぶのか

「同じNIPT検査なのだからどこだって同じ」とも思うかもしれませんが、病院や施設によって、サポートや特徴は違ってきます。

最も分かりやすい違いは、検査料金です。同じNIPT検査であっても、病院が違えば8~10万円近く値段は変わります。

もちろん、料金が違うのには理由がありますが、金額だけを見れば料金の違いに疑問を持つことでしょう。

また、病院によってサポートの違いもあります。施設によっては専門の臨床遺伝専門医が在籍しておらず、遺伝カウンセリングが不親切だったという話もあります。

ダメな施設があるというわけではありませんが、分かりにくいことは事細かに説明し、検査結果が陽性の場合には親身に相談に乗ってくれるなど、安心ができる病院・施設を選ぶ必要があるでしょう。

認可施設と無認可施設

NIPT検査ができる施設には、認可施設と無認可施設があります。

認可施設とは、日本医学会連合がNIPT検査を認可した施設のことであり、逆に無認可施設は、日本医学会連合の認可外の施設のことです。

無認可施設の特徴としては、検査するための制限が少ないことです。認可施設では、NIPT検査を行うために、いずれかの条件を満たしていなければなりません。

  1. 胎児超音波検査で、胎児に染色体異常の陽性反応がある場合
  2. 母体血清マーカー検査で、胎児に染色体異常の陽性反応がある場合
  3. 以前に、染色体異常の子供を出産している場合
  4. 両親に均衡型ロバートソン転座があり、遺伝による染色体異常の可能性がある場合

ですが、日本医学会連合の認可する枠組みにない無認可医院では、条件を気にする必要が無いため、NIPT検査を希望する妊婦全員が検査を受けることができます。

他にも、検査料金が安いのも特徴です。上記で記載した料金が違う理由は、主に認可施設と無認可施設の違いといえるでしょう。

ただ便利な反面、不便な部分もあります。無認可施設によってはNIPT検査しか行っておらず、仮にNIPTの結果が陽性の場合、確定診断である羊水穿刺の予約などを自分で行わなくてはならない場合があります。

もちろん、病院の紹介や、羊水検査の補助金が出る制度のある施設などもありますが、どちらにせよ、陽性時に羊水穿刺などのサポートが受けられる認可施設と比べると、手間がかかるのは代わりありません。

一連の検査が同一の施設で行われないことで、いざという時に対応が遅れてしまうこともあるため、日本医学会連合は認可施設での検査を推奨しています。

大まかにではありますが、認可施設はサポートが充実している。無認可施設は料金が安く検査がしやすい。と思っておくと選ぶ際の基準になると思います。

施設によってできる検査項目が違う

認可施設と無認可施設では、できる検査項目も違ってきます。

認可施設では13・18・21トリソミー検査しか行えませんが、無認可施設では13・18・21トリソミー検査以外にも、微小欠失検査や全染色体検査など、認可施設よりも多くの検査が行えるのです。

というのも、検査する内容は日本医学会連合の指針によって決まっているからです。認可施設は日本医学会連合の枠組みに属していますので、勝手な検査をすることができません。

一方で、無認可施設はNIPT検査の他にも、利用者が希望するなら全染色体検査などを実施することができます。多くは海外の検査会社を利用しているため、日本医学会連合の指針に準ずる必要が無いからです。

染色体異常は13・18・21トリソミー以外にも、性染色体の異常によるクラインフェルター症候群やターナー症候群、染色体転座による相互転座やロバートソン転座などもあります。

他の染色体異常の発生は13・18・21トリソミーよりも低いとはいえ、決して軽視していい異常ではありません。

13・18・21トリソミー以外の確認をするのなら、無認可施設に受診すると良いでしょう。

病院・施設の選び方

病院や施設の選び方を紹介します。あくまでも一例ではありますが、選ぶ際の参考にしていただけたらと思います。

陽性への対応

NIPT検査で最も重要なことは「陽性への対応」です。

もし陽性なら、確定診断をするために羊水穿刺を行う必要がありますが、実際にそのような状態になると、陽性だという事実から不安になり「どうしたらいいのか」分からなくなってしまいます。中絶するかどうかも迷ってしまい、辛い思いをしてしまうかもしれません。

そのような時、相談や対応をしてくれるのは認可施設になります。遺伝カウンセリングだけではなく、羊水穿刺や中絶手術への手配など、分からない・不安なことをサポートしてくれます。

羊水穿刺や中絶手術の準備ができない、専門の臨床遺伝専門医が在籍していないような無認可施設の場合、できる病院を捜したりなど、全て自分で行わなければなりません。

陰性なら問題はありませんが、万が一陽性だった時のためにも、羊水穿刺や遺伝カウンセリングができるなど、サポートが充実している施設を選びましょう。

口コミ

サポートが優れていると紹介されていても、実際に体験してみなければよくわかりません。誇張表現していることは多く、「想像と違っていた」ということもあるでしょう。

そのような事が無いようにするためにも、事前に情報収集はとても大切です。

口コミの多くは、体験談が基になっています。実際の内容や施設の雰囲気、医者の対応なども詳しく知ることができ、選ぶ際の参考になります。

良質な口コミが多く、信用と信頼のできる施設を選びましょう。

ただ、全ての口コミが正しいというわけではありません。人によって感じ方は違うため、「評価と違う」と感じることもあります。

担当医が違うだけでも評価は違ってきますので、あくまでも参考程度に留めてください。

費用

NIPT検査は検査料は施設によっては大分違います。9万円前後で検査できる施設もあれば、20万円を超える施設もあるのです。

妊娠中は何かと費用は掛かりますし、出産した後のためにも貯金はしておきたいです。同じNIPT検査であるなら、少しでも安く検査してもらいたいのが一般的でしょう。

最も比較しやすい場所ですので、まずは費用から検討してみるといいかもしれません。

ですが、費用が安い代わりに、遺伝カウンセリングや陽性時のサポートが無かったりすることもあります。

費用が安いからといって選ぶのではなく、内容を確認してから施設を選びましょう。

利便性

いくら口コミで評判が良い施設だからといって、交通面が悪い場所は来院しにくいです。長時間の移動は妊婦への負担が大きく、途中で体調不良になることもあります。

駅から遠いのはもちろん、車でも1時間かかるような場所は、あまりおすすめはできません。

特別な理由が無い限りは、駅から近くて地元の施設から選びましょう。

検査会社による違い

NIPTの違いは病院や施設だけではなく、検査会社によっても違ってきます。

多くの場合、NIPTをした施設で検体の検査をするのではなく、アメリカのベリナタ・ヘルス社など外部へ委託します。

病院によって良し悪しがあるように、検査会社にも良し悪しはあります。失礼な物言いではありますが、検査会社によって検査の精度が違う場合もあるのです。精度が低いと、本来は陰性なのに陽性反応が出てしまう偽陽性の可能性が高くなり、確定診断である羊水穿刺をする必要もあるでしょう。

羊水穿刺は、流産の可能性が0.3%といわれている検査です。300人に1人は流産する可能性があり、不要なら避けたい検査でもあります。高い検査精度は、羊水穿刺を行う可能性を減らし、流産のリスクを減らす事にも繋がるのです。

また、外部に検査を委託するということは、結果が出るまでの時間が違うということです。ベリナタ・ヘルス社は実績ある会社ではありますが、海外に輸送のため時間が掛かります。一方で、国内の検査会社なら輸送時間も短くなり、結果が早く分かるでしょう。検査会社によっては、1週間近くの差が出ることもあります。

病院や施設と同じように事前に確認できればいいですが、病院や施設で情報は公開されてはおらず、分からないのが一般的です。そのため、口コミや紹介サイトなどを参照するしかありません。

もちろん、「絶対に止めた方が良い」「信用できない」という検査会社はありませんが、少しでも陰性の安心を得られるために、検査会社の情報も調べることをおすすめします。

選ぶところからNIPTは始まっている

NIPTの検査施設はどこでも同じというわけではありません。サポート内容は違うため、自分で選ぶ必要があります。

検査した人の中には、説明が不十分だったことで後悔をした人もいるのです。

「どこでもいいや」と思わず、しっかり調べて、後悔の無いNIPT検査を行ってください。

参考文献