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兄弟肯定確率

この記事の概要

兄弟肯定確率(Sibling Index)も、父性肯定確率と同様に、遺伝子マーカーを基に計算されるものであり、兄弟関係の確率を評価する際に使用されます。兄弟鑑定では、全兄弟や半兄弟姉妹(片親が共通している場合)の関係を確認するために、特定の遺伝マーカーを比較します。

兄弟肯定確率

1. 兄弟鑑定の種類

兄弟鑑定には、以下の2つの主要なタイプがあります。

  • 全兄弟鑑定: 両親が共通の兄弟関係を確認する鑑定。
  • 半兄弟鑑定: 片親が共通している場合の兄弟関係を確認する鑑定(通常は父親または母親が共通)。

2. 遺伝マーカーの比較

兄弟鑑定では、STR(短鎖反復配列)マーカーを用いて、兄弟間で共通する遺伝子パターンを確認します。全兄弟の場合は、両親からそれぞれ50%ずつ遺伝情報を受け継ぐため、兄弟同士の遺伝的類似性が高いです。半兄弟の場合、遺伝的類似性は約25%です。

3. 兄弟指数(Sibling Index, SI)

各遺伝マーカーの一致度に基づいて兄弟指数(SI: Sibling Index)が計算されます。この指数は、2人が兄弟である可能性と、偶然に同じ遺伝子パターンを共有する可能性の比率を示します。兄弟指数の計算は、以下の式に基づきます。具体的には、全兄弟が共通する遺伝子の50%を受け継ぐため、兄弟間で特定の遺伝子マーカーが一致する確率を0.5とします。半兄弟の場合は、この確率が0.25となります。つまり分子が0.5または0.25です。

4. 総合兄弟指数(Combined Sibling Index, CSI)

各遺伝マーカーの兄弟指数を掛け合わせ、総合兄弟指数(CSI: Combined Sibling Index)を計算します。これにより、全体として兄弟関係があるかどうかの指標が得られます。

5. 兄弟肯定確率の計算

父性肯定確率と同様に、CSIを用いて兄弟肯定確率(Probability of Sibling Relationship)が算出されます。最終的な確率は以下の式で計算されます。

この確率は、兄弟関係がどの程度確からしいかをパーセンテージで表します。たとえば、CSIが100であれば、兄弟である確率は約99%です。

6. 結果の解釈

  • 99%以上の確率: 科学的に兄弟関係があることが強く支持されます。
  • 50%以下の確率: 兄弟関係がない、または証明が難しいことを示します。

まとめ

兄弟肯定確率は、兄弟間の遺伝マーカーの一致度に基づき、兄弟である可能性を高い精度で算出します。特に全兄弟か半兄弟かによって結果が異なるため、鑑定には慎重な分析が必要です。また、兄弟肯定確率はCSIを基に計算され、99%以上の確率が出た場合には、科学的に兄弟関係がほぼ確実であると判断されます。